「何度忠誠が裏切られたとしても衛士は主君に背けない。これもまた試練ならば、意地でも闘い抜いてやる」
(拳闘暗黒伝セスタス 15巻)
完成された技巧を持つ天才闘士
金髪の美男子 黄金のルスカ
「臣下が我が身をかえりみず
主君に仕える」
ルスカの事を話す時、この言葉なくして彼の事は語れません。衛帝隊参等衛士ルスカ。血みどろになろうと誇りを死守する男。
ローマ帝国第5代皇帝ネロの母、女帝アグリッピーナの絶対権力を目の前に突き付けられても、屈しない高潔さ。それが、彼の強さであると言えます。
忠誠と高潔の男ルスカは、幼馴染にして婚約者であった最愛の女性(ひと)――ヴァレリアの死
ローマ帝国衛帝隊隊長であり父でもあるデミトリアスとの確執を乗り越えて少年から青年へと成長を遂げて行きます。
金髪碧眼の甘いマスク
勝利への執念。
そのギャップが魅力でもあります。セスタスとは不思議な縁(えにし)で結ばれていて、やがて彼は、セスタスの好敵手(ライバル)となって行く。
ルスカとオクタヴィアの悲恋
互いに大切な人を失ってしまった悲しみを、皇帝ネロの妃オクタヴィアと分かち合うシーンが、強く印象に残っています。
技来先生のセスタスシリーズは格闘シーンのみならず細密な取材と時代考証、心理描写がとても繊細ですね。
動と静が渾然一体となったアートの領域と言って過言ではないでしょう。
動と静が渾然一体となったアートの領域と言って過言ではないでしょう。
ストーリーは勿論の事、クオリティの高い作画にも定評と説得力があり、コアなファンも少なくありません。
創作に妥協を許さず期待を裏切らない、漫画家の技来静也先生に敬意を表します。
既に史実で決着の付いた事とは言え、悲劇に向かって突き進む事は避けられぬとしても、皇妃オクタヴィアとの出逢いがせめて、ルスカにとって幸福だと思える結末であってほしい――
極めて濃密なおすすめ格闘漫画です。本編中、数少ない貴重なラブロマンス。このカップリングに、私を含む全国女性ファンの期待も大きいと思います。
技来先生、多大に期待しています!
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