「一勝の 『重み』 さえ知らないのだ
あの女(ひと)はッ
本物しか生き残れない戦場を征く
俺の胸中など最初から…!!」
(拳闘暗黒伝セスタス 12巻)
寡黙な門番、番拳
ゲルマニアの蛮雄
闘奴エムデン
絶世の美女、ポンペイ一の大富豪令嬢サビーナへの報われぬ愛、報いなき自由を胸に秘め、勝利への執念を燃やす男
エムデン。
エムデン。
やがて帝都に咲き誇る棘ある大輪の薔薇は彼の忠誠を知りながら冷たく嗤(わら)い、にべもなくあしらう。
歴史の表舞台に登場する美女に相応しき悲劇が用意されている 「必然」 を、知る術(すべ)もなく。
冷淡な美女の女主人と、最強拳闘士の僕(しもべ)。不毛な関係にも終止符が打たれる。鮮やかに、見事な迄の劇的さで。
長年仕えた闘犬が女主人に優しい微笑を与えられたのは皮肉にも
別離の時であった……
別離の時であった……
捨てる神あれば拾う神あり。
エムデンは、闘技に理解ある監督官
目付役モンソンに恵まれる。
そして――
師デモクリトスとの
運命的邂逅 (かいこう)。
来たるコンコルディア闘技祭で必殺技 「断頭」 を引っ提げ嘗ての雪辱を果すべく、以前にもまして強敵となったエムデンがセスタスの前に立ちはだかる!!
無頼の牙を研ぎ澄ませながら。
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